2018.01.30ブログ
ピラティス エルダー ( その7 )
今回は直弟子のひとりカローラ・ トリエーがテーマです。
カローラは1913年ドイツ フランクフルトで生まれました。ユダヤ系の裕福な家庭で育ちますが
1930年代ナチの統治がはじまるとフランスに逃れます。サーカス団でアクロバットをしていましたが ドイツがフランスに侵入するとフランスの強制収容所に収容されてしまいます。収容所から逃れ 危機一髪で アフリカ経由でアメリカへ渡ります。
1940年代、ニューヨークで足のケガをきっかけにジョーと出会いました。1950年末に
ジョーから許可を得て自分のスタジオを立ち上げました。殺風景なジョーのスタジオと
違って、カローラのスタジオはモダンで器具もピカピカに磨かれていました。
カローラはセッション中は大変キビしく、スイス製の時計のように時間に正確だった
そうです。
ジョーは何でも自分でやるよう指導しましたが、カローラはアシスタントをつけて
クライアントをサポートさせました。アシスタントの中にはロマーナやキャシー・グラント
がいました。ロリータ・サン・ミゲル、デボラ・レッセンなどもカローラの元で学びました。
ダンサーだったアラン・ハードマンはカローラに学び、イギリスに戻ってヨーロッパに
ピラティスを広めました。
他のエルダーと同じようにドラマのような人生を送り、ピラティスに出会い、80歳過ぎ
まで指導を続けました。
カローラが独立するときジョーから送られたオリジナルのキャデラックは今では
後継者のひとりジリアン・ヘッセルのスタジオに置いてあります。オリジナル器具
を使って練習していると歴史が伝わってくるように感じます。